ガストンときいて、ディズニーツムツムを思い出す人はいても、すぐにテニス選手を思い浮かべる人は少なかったと思う。しかし、昨晩のティームとの試合で世界中の人が、フランスに若干20歳、身長173センチの天才少年がいることを知ることとなったと思う。
最終セットにまでもつれ込んだとき、ティーム、負けるかも・・・と思った。それほど、世界ランキング239位の選手が世界ランキング第3位のティームを追い詰め、もしティームが最初のマッチポイントを逃していたら、5-3から逆転されていたような気がする。それほど僅差でした。
男子シングルス4回戦ティーム×ガストン
わたしは今までガストンという選手を知らなかった。世界ランキング239位で全仏オープンには主催者推薦で出ています。下位選手は予選に勝ち抜かなければ出れないけど、主催国のフランス人だから出してもらったのでした。ティームは世界ランキング3位です。上位選手は予選なしで出場できます。
今回、日本の西岡選手が絶好調で、1回戦をストレートで勝ちました。
出典:テニスデイリー
2回戦がガストンという選手で世界ランキング239位だから、西岡選手は48位だったかな?これは勝てる、3回戦までは進める。3回戦はワウリンカとの対戦になるので、これは無理、と思っていました・・・が、西岡×ガストの試合を見て驚きました。西岡選手、あっという間に負けました。
ガストンの次の対戦相手はワウリンカだから、これは勝てるはずがないと思ったら、フルセットまでもつれ込み、なんと最終セットは6-0でガストンが勝ちました。圧勝でした。ワウリンカはミスを連発し、自滅するように負けました。
しかしティーム戦でティームが負けるはずがないと思っていたのでした。
1セット2セットはいつの間にかティームが取ったので、このままストレートで勝つと思いました。早く終わってくれないと、フランスとの時差で寝不足になるので、早く終わってくれそうでよかったと思ったら、3セットあたりから、ガストンのドロップショットが絶妙に決まりだしました。
One of Thiem's biggest issues today has been his lack of depth and pace on the return from his deep position. Just not making Gaston's 2nd shot difficult enough with the Frenchman having plenty of time to set up one of his brilliant drop shots.
🎥@Eurosport_RU pic.twitter.com/bND1T9RSEM— Matthew Willis (@MattRacquet) October 4, 2020
手前がティーム、向こうがガストン。
ドロップショットって、バレーボールでいう、フェイントみたいなやつで、ひょいッと、手前で落としてくるんですが、スピンをかけていることと、全仏は土のコートなので、ボールが弾まないので、全速力で走らなかったら間に合わず、何度もそれをやらされているうちに体力は消耗するし、精神的に追い込まれ、ティームの様子が変になってきました。
ドロップショットは立派な技ですが、今回、こんなにズルい技なのかと、見て、思いました。
ティームにチャンスボールがかえって来たら、絶対決めなきゃと思うのか、今度は力んで、ミスがではじめました。ティームは翻弄されて、足がもつれる場面もありました。こんなティーム、初めて見ました。
明らかに精神的に追い込まれ、いら立っているのがわかりました。しかし、ティームのいいところは、ラケットを叩き割らないことですね。いつか、ガストンがジョコビッチとやって、何本もジョコビッチがラケットを叩き割るのを見たいですわ~。
2セット連取していたのに、追いつかれ、フランスの選手ですから、1000人ほどしか観客が入っていなかったのが幸いしたけど、ほぼ全員がガストンを応援し、ティームは完全にアウェーの中で、全く表情を変えることなく、淡々とテニスをするガストンに翻弄されて自分を見失いそうになりながらの試合で、最終セットまでもつれ込んだとき、もしかしたら負けるかもしれない・・と本人も頭をかすめたんじゃないですかね。
しかしガストンは、全く表情を変えず淡々としているので、それが余計に、ティームの神経を逆なでしたように思います。
ティームは最近4年は、確か、全仏では、ジョコビッチかナダルにしか負けていないと思います。ジョコビッチかナダルに負けるなら仕方がない。しかし全米チャンピョンが世界ランキング239位の選手に絶対に負けるわけにはいかないとい
う焦りが見ている者にも伝わってきました。
最終セット、勝った時のティーム。
全米チャンピョンが239位位の選手とやったら、勝って当たり前だから、こんな喜び方、しないですよね。それほど、ガストンは強かった!
ガストン選手とは
身長は173cm、まだ20歳。老けてるかと思ったら・・・。よくみたら子供の顔。
190㎝が当たり前になりつつテニス界では、すごく小さく感じます。ジュニア時代から天才と言われていたらしいですが、どの選手も天才と言われてきた人ばかりが上がってきているんですけどね。
ちょっと前まで、一番下のランクで試合をしていた選手です。
お父さんがテニスの元選手でテニスクラブをやっているというのも、他の選手と同じですね。テニスの選手のほとんどが、親も元テニス選手。親が子供に夢をかけて幼い頃から厳しい練習をやらせてここまできたのです・・。
ティームがガストンを絶賛
握手をしないことになっているのに、ハイタッチしてました。
なにやら、ねぎらいの言葉をかけていたようです。
試合終了後、体も疲れたけど、精神的に疲れた・・という感じでした。
一方、ガストンは負けたからといってさっさと引き上げるのではなく、淡々と全てマイペースでした・・。
ティームは試合後のインタビューで、
ガストンのドロップショットは
「こんなに素晴らしいタッチを持った選手は久しぶりだよ」
「彼のドロップショットは別の惑星から来たようなもので、僕はネットに向かって400回くらいスプリントさせられた」
「彼がこのまま成長すれば、強大な選手となり、将来的にこのスタジアムで多くの成功を収めるだろう」
と絶賛していたらしい。あとで聞きなおしたら、あ~そう言ってるかも、という感じ。
ぺんぺん草の独り言
5年ほど前は、錦織くんがティームとやって、すごい才能のある選手が出て来たので要注意と言いながらストレートで勝ったんだけど、今はもう勝てない。
ティームも今は一枚上手で勝てたけど、5年後になると、ガストンにもう勝てないかも。今回の全仏には若い、いい選手がたくさんでてきていて、5年後には勢力図がガラリと変わっていると思う。
世界ランキング213位の予選勝者20歳のコルダ選手が勝ち上がり、ナダルと対戦し、1-6、1-6、2-6で完敗したけど、ナダルが大好きで、ずっとあこがれだったので、試合後、ナダル選手にサインをしてほしいとお願いしたそうよ。
おもしろいわね~。サインをしてあげるナダルもいいひと。
世界ランキング213位の予選勝者コルダ選手のお父さんも元テニス選手。
1998年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)王者で、全仏オープンでも1992年に準優勝を経験したペトル(Petr Korda)さんがお父さんなんですって。
みんな、親の夢や期待を背負って頑張っているか、
親や兄弟の生活をかけて頑張っているか、
の、どちらか。ホントにすごい。
ティームの次の対戦相手はディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
この人は身長170㎝で、ガストンと比べても更に小柄。しかし強敵。今年の「ATP1000 ローマ」ではナダルに勝っている。でもそのシュワルツマンに勝ってジョコビッチがストレートで勝って優勝しているから、ジョコビッチ優勝かあああ~と思うと、つまんない~!
テニスに興味のない方には、退屈な記事です。もし最後まで読んでくださったなら、心から感謝です。