中国ではパンダの保護政策や繁殖技術が年々向上しているが、一方で違法ながら、食に貪欲な人々のあいだで“禁断のパンダ肉”の需要が密かに生まれている……。というから驚き!

パンダの肉まで食べる中国人

パンダの存在が広く知られるようになったのは1936年、米国人ファッションデザイナーのルース・ハークネスが、亡夫の望みを叶えるべく自ら四川省に赴いてオスの赤ちゃん「蘇琳(スーリン)」を生け捕りにし、米国に持ち帰ってからだ。

1961年に世界自然保護基金(WWF)がパンダを公式ロゴに採用したことで、パンダへの関心と知名度が世界中で急速に高まる。さらに1970年代から中国政府は、友好国・地域にパンダを贈呈したり貸与したりする「パンダ外交」を積極展開。中国にしか生息していないパンダはその稀少性も相まって、外貨獲得で国家に貢献する重要な存在にもなった。

野生のパンダは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで2016年まで、絶滅の危険性が非常に高い「絶滅危惧種(Endangered)」に分類されていた。だが国を挙げての保護区域拡大や啓蒙活動が奏功し、野生の個体数は2003年の1600頭から2014年には1850頭まで16%増加。飼育下の個体数も1990年の100頭から2014年には341頭まで増えた。このため今はレッドリストのランクが下がり、「危急種(Vulneable)」に位置付けられている。

冷蔵庫に「パンダ肉」8.5kg

パンダは1989年に制定された中華人民共和国野生動物保護法で「国家一級保護動物」に指定され、文字通りの「中国国宝」としてどの動植物よりも手厚い保護を受けている。21世紀に入り、密猟も激減していただけに、雲南省で発生した「パンダ射殺事件」は多くの市民にショックを与えた。

「パンダ射殺事件」の全容

2014年12月。四川省との境界に近い雲南省昭通市塩津県の山奥の村で、地元農民の王文林はいつもどおり早起きして飼っているヒツジを牧草地へ連れ出そうとした。だがヒツジ小屋を覗くと1匹が噛み殺されているのを見て驚愕。「ツキノワグマの仕業だ!」と考えた王文林は小屋の近くに罠を仕掛けるが、翌日、罠は何者かに壊され、小屋から動物の足跡が延々と山奥へ続いていることに気付く。

スマートフォンで弟の王文才を呼び出し、兄弟は猟銃片手に足跡の先を追う。すると1匹の「熊」が木登りしている姿を確認。「ツキノワグマだ!」と判断した王文林は素早く銃の引き金を引くと、「熊」は地上に倒れ込んだ。

その時点で兄弟は初めて、「熊」ではなく「パンダ」だということに気付くが、一瞬、困惑するものの、迷わず第2、第3の銃弾を浴びせ、パンダの息の根を止めた。人目をはばかりながら35kgのパンダの死体を自宅に運び込んだ兄弟は、その場で素早く解体。生肉に、両手首の先と両足首の先・計4本をセットにして計4800元(約7万円)で知人の李某に売りつける。李はさらに別の複数の知り合いに転売したという。

中国で「熊掌(熊の手)」は最上級の漢方薬材として珍重されるため、パンダでも高値で売れると踏んだのだろう。毛皮は弟の王文才が自室でなめし、乾かしていた。王文林は逮捕されたとき、ポケットにパンダの胆嚢を隠し持っていたという。クマの胆嚢も稀少な漢方薬材のひとつ「熊胆(ゆうたん)」として珍重されている。

2016年4月の裁判で王文林・文才を含む関係者9人が逮捕され、主犯格の王文林には懲役13年、罰金1万元の重い判決が下された。裁判では「家畜を殺された報復」の正当性や、本当に射殺されたパンダがヒツジを噛み殺したのかどうかといった点の審議は二の次で、世界のアイドルとなった「中国国宝」を故意に殺めた点が厳しく追及されたようだ。

ちなみに弟・王文才の自宅の冷蔵庫には、パンダの肉塊8.5kgが冷凍保存されていた。自宅でも食材としていたようだが、パンダの肉が美味だったのかどうかについては、密猟誘発防止のため報道されていない。

“パンダ鍋”を食した人物

2017年、世界自然遺産・武陵源(湖南省張家界市)のレストラン「相約武陵 回家吃飯」が禁断の料理を提供していることが発覚した。

メニューの隅には「穿山甲(センザンコウ):時価」「口味蛇(チュウゴクシュウダ):時価」「沙斑鶏(サケイ):1羽 288元(約4300円)」「麂子(キョン):500g 188元(約2800円)」などの稀少動物と並んで、「竹熊(ジャイアントパンダ):500g 258元(約3800円)」の名も……! 中国語でジャイアントパンダは「大熊猫」だが、「竹熊」はパンダの異称のひとつ。分かる人には分かるのだ。

通報を受けた武陵源区人民政府林業局が立入検査したところ、ブタをセンザンコウと、竹鼠(タケネズミ)を竹熊(パンダ)とそれぞれ偽って売っていたことが分かった。同店経営者は偽装表示の罪で処分されたが、中国人は「野味(野趣に富んだ味わい)」が大好きなだけに、かなりの数の観光客が同店を訪れては「これぞパンダの肉!」と思いつつネズミに舌鼓を打っていたらしい。

ネズミの肉っておいしいのね・・・。知らなかったわ。

中国では魚の一種と考えられていたこともあるというセンザンコウ Photo: GP232 / Getty Images
ちなみに現役最高齢パンダの新星が生まれた1982年、実際にパンダを食べた農民の「感想」が公安警察に記録されている。

四川省汶川県臥龍郷に住む猟師の冷志中は、ジャコウジカを生け捕りにして麝香(じゃこう:ジャコウジカの腹部から得られる分泌物を乾燥させた香料・生薬)を売ろうと思い立ち、「五一棚」と呼ばれる山岳地帯に罠を仕掛けた。すると1頭のパンダが罠に掛かったまま死んでいたことから、冷はこっそりパンダの死体を家に持ち帰った。内臓はぜんぶ捨てて毛皮を剥ぎ取り、肉は大根と一緒にグツグツ煮込んだという。

警察に味はどうだったかを問われた冷は

「大熊猫肉不好吃、全部拿去喂猪了!(パンダの肉はクソまずくてのぅ、ぜんぶブタのエサにくれてやったさぁね!)」と吐き捨てたという。

パンダの肉はまずいのね。よかったわね、パンダちゃん

……「クソまずい」からこそ、パンダは絶滅せずに済んだと言えるのかもしれない。
Jun Tanaka

ペンペン草の独り言

中国では四つ足は机以外何でも食べると言われるくらい、食に貧欲な民族だから、誤ってパンダを射殺したと思って悲しむのではなく、食べちゃうのね‥驚くわ。

パンダはまずいのね。サバンナのバッファローはまずいんですって。だから人間に乱獲されずに済んでいるから、まずいってありがたいことなのね。

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もし、まれにみる美味だったら、今頃とっくに絶滅して、かつてこんなかわいい模様の動物がいたと伝説になっていたわね。

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